「眼瞼後退」は、治りますか?
「眼瞼後退」は、大きく二つに分けられます。
交感神経の緊張による「ミューラー筋」の緊張と、「上眼瞼挙筋」の炎症です。
「ミューラー筋」の緊張が、甲状腺ホルモン過剰のための交感神経緊張により起きているのであれば、甲状腺機能の正常化により治ります。
しかし、甲状腺機能が正常になっても、よくならない場合や、まれには、甲状腺機能に全く異常がないのに、「ミューラー筋」がけいれんしたりすることがあります。
この時には、交感神経の緊張をとる点眼薬を使います。
以前は、「イスメリン点眼薬」を使用していましたが、現在製造中止になったため、「ブナゾシン(デタントール)点眼薬」を使用します。「ブナゾシン点眼薬」は、「イスメリン点眼薬」と比べて濃度が薄いため、一日3,4回点眼する場合もあります。
「眼瞼後退」に対して「ブナゾシン点眼薬」の効果が見られないときは、「ミューラー筋」が硬くなってしまっているか、「上眼瞼挙筋」に炎症が起きていることが考えられます。
このような場合には、手術治療ということになります。
手術は、「まぶた」の裏側から行い、皮膚は切開しません。
「ゴアテックス」を「上眼瞼挙筋」の間に挿入して、「上眼瞼挙筋」を延長する手術になります。